2026年11月5日
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薬を6種類以上飲んでいる方へ|多剤併用(ポリファーマシー)とお薬手帳の使い方をわかりやすく解説
血圧の薬、血糖値の薬、睡眠薬、胃薬、痛み止め——。病院をいくつか回っているうちに、飲む薬がどんどん増えていく。そんな経験はありませんか。この記事では、薬が増えるとなぜ注意が必要なのか、そして「お薬手帳」で薬を整理する方法を説明します。
1. 多剤併用(ポリファーマシー)とは
たくさんの薬を同時に飲むことを多剤併用(たざいへいよう)、英語でポリファーマシーといいます。厚生労働省は、単に薬の数が多いことではなく、それで体に悪い影響が出たり、飲み間違いや飲み忘れが起きたりしている状態を問題としています。ある県の75歳以上の調査では、10〜14種類の薬を処方されている人が約20%、15種類以上の人が約7%いました。決して特別な話ではありません。
厚生労働省の「高齢者の医薬品適正使用の指針」では、6種類以上が必要な場合もあれば、3種類でも問題が起きる場合もあるとされ、数より中身が大切とされています。そのうえで6種類以上は、見直しを考える目安として広く使われています。
2. 薬が増えたときに出るサイン
年を重ねると薬を体の中で処理する力が弱くなり、薬がたまりやすくなります。そのため高齢者には少量(半分〜3分の1)から始めるのが原則です。次の変化は薬が関係しているかもしれません。
- ふらつき・立ちくらみ・転倒が増えた…血圧の薬や睡眠薬が効きすぎていることがあります。
- 元気がない・食欲がない・ぼんやりする…薬の効きすぎのサインのことがあります。
- 便秘や下痢が続く、口が渇く…薬の副作用でよく見られる症状です。
- 2つの病院から同じような薬が出ている…気づかないうちに重複している場合があります。
自分の判断で薬をやめたり減らしたりしないでください。特に血圧の薬、心臓の薬、血液を固まりにくくする薬(抗凝固薬)、糖尿病の薬は、急にやめると危険です。必ず医師か薬剤師に相談してください。
3. お薬手帳が「薬の整理帳」になる
お薬手帳は、飲んでいる薬を1冊にまとめる手帳です。法律(薬機法)でも「薬の服用歴を一元的・時系列で管理できる手帳」と定められています。1冊にまとまると、別の病院の薬でも飲み合わせや重複を薬剤師が確認できます。副作用の記録も残り、入院や避難のときにも役立ちます。
スマホの電子版お薬手帳も、厚生労働省のガイドラインを満たしたものは紙の手帳と同じ扱いです。ただし、どの薬局でも使えるよう1つのサービスに決めておきましょう。
4. 2026年6月からの「特別の料金」
ジェネリック医薬品(後発品)がある薬で、あえて先発品を希望すると「特別の料金」がかかります。2026年6月からは先発品と後発品の価格差の2分の1(消費税別)になりました。
先発品1錠100円、後発品1錠60円なら、差額40円の2分の1の20円(+消費税)を、通常の1〜3割の負担とは別に支払います。なお、医師が先発品を必要と判断した場合や、薬局に後発品の在庫がない場合はかかりません。
5. 薬を整理する手順
- 飲んでいる薬を全部1か所に集める…市販薬・湿布・目薬・サプリも含めます。
- お薬手帳と一緒にかかりつけ薬局へ持っていく…「薬が多くて心配」と伝えるだけで十分です。
- 何のための薬か説明してもらう…分からなければ遠慮なく聞きましょう。
- かかりつけ医を1人決める…複数の病院の薬をまとめて把握してくれる先生がいると安心です。
- 飲み方をそろえる…回数を減らせないか、一包化(1回分ずつ袋に入れる)ができないかを相談してみましょう。
この記事は一般的な情報です。薬の種類・量・やめ方の判断は、必ず処方した医師、またはかかりつけ薬局の薬剤師にご相談ください。体の不調については医師の診察を受けてください。
まとめ
- 薬が増えると、ふらつき・転倒・食欲低下などが起きやすくなる
- 6種類以上は見直しの目安。ただし数より中身が大切
- 自己判断で薬をやめるのは危険。医師・薬剤師に相談を
- お薬手帳(電子版も可)で飲み合わせと重複を防げる
- 2026年6月から、先発品を選ぶと価格差の2分の1の料金がかかる
- 市販薬・サプリも含めて、全部を1か所に集めて薬局へ持っていく
薬は、正しく使えば心強い味方です。数が多くなってきたと感じたら、それは体の声に耳を傾ける合図かもしれません。まずはお薬手帳を1冊の「整理帳」として使うことから始めてみてください。