2026年10月27日
⏱ この記事は約6分で読めます
火葬許可証とは?死亡届から火葬までの流れと埋葬許可証・改葬許可の違いをわかりやすく解説
「家族が亡くなったけれど、まず何をすればいいのかわからない」「葬儀社さんが書類をそろえてくれると言うけれど、自分は何をしなければならないの?」——そんな不安を抱えておられる方は多いです。
亡くなったあと、必ず通らなければならない手続きが「死亡届」と「火葬許可証」です。この2つはセットで、しかも期限があります。この記事では、慌ただしい中でも迷わないように、順番にやさしく説明します。
1. まず「死亡届」を出します
病院で亡くなった場合、お医者さんが「死亡診断書」を書いてくれます。この死亡診断書と一体になった用紙が死亡届です(A3判の用紙の左半分が届出用、右半分が死亡診断書になっています)。自宅で亡くなった場合は、お医者さんが「死体検案書(したいけんあんしょ)」を書きます。意味はほぼ同じで、こちらは原因を調べて書かれた証明書です。
この用紙の死亡届の部分を、届出人が自筆で署名して提出します。令和3年9月から押印は任意(しなくてもよい)になっています。
届け出る期限:7日以内
7日目が土曜日・日曜日・祝日・年末年始にあたる場合は、翌開庁日が期限になります。国外で亡くなった場合は、その事実を知った日から3か月以内です。
どこに出すか:3か所のうち1か所
- 亡くなった場所(死亡地)の市区町村
- 亡くなった方の本籍地の市区町村
- 届出人の住所地の市区町村
このうちどれか1か所で構いません。「本籍地が遠いから無理」とあきらめる必要はありません。お住まいの市区町村でも受け付けてもらえます。
誰が出せるか
順番が決まっています。①親族(同居・別居を問わず)→②同居している人→③亡くなった家の家主・地主・家屋管理人→④後見人・保佐人・補助人・任意後見人、の順です。親族が署名した死亡届を、葬儀社の方が代理で窓口に出すこともできます。
2. 死亡届と同時に「火葬許可申請」をします
火葬をするには、死亡届とは別に「死体(埋)火葬許可申請書」を出す必要があります。ただし実務では、死亡届とセットで窓口に出せば手続きは一度で済みます。葬儀社に頼めば、まとめてやってくれるのがふつうです。
申請を受けた市区町村が発行するのが「火葬許可証」です。2026年3月9日から戸籍システムの標準化にともない、名称が「火葬許可証」に整理されました(それまでは「埋火葬許可証」などと呼ばれていました)。呼び方が変わっただけで、役割は同じですのでご安心ください。
火葬許可証をもらうための2つの条件
- 火葬の日時と場所が決まっていること:決まっていないと許可証は発行されません。先に火葬場の予約を取る必要があります。
- 死亡時刻から24時間以上たっていること:法律(墓地、埋葬等に関する法律第3条)により、死亡した時刻から24時間を経過するまでは火葬が認められていません。
死亡届は夜間・休日でも受け付けてもらえる自治体がほとんどですが、火葬許可証の交付は平日の開庁時間のみという自治体が少なくありません。「許可証がなければ、火葬場の予約が取れていても火葬はできません」。土日祝日や連休明けに火葬を予定するときは、許可証をいつ受け取れるかを先に窓口へ確認しておきましょう。
3. 火葬のあと、許可証に一筆入れてもらいます
火葬が終わったら、火葬場で火葬許可証に「火葬済み」の証明(年月日時刻の記入と署名)を書いてもらいます。この一筆が入った許可証が、「埋葬許可証」としての役割を果たします。つまり、お墓や納骨堂に遺骨を納めるには、この火葬済みの証明が入った許可証が必要なのです。
① 死亡診断書つきの死亡届を出す(7日以内)
② 同じ窓口で火葬許可申請 → 火葬許可証を受け取る
③ 火葬場で火葬 → 許可証に「火葬済み」の証明をもらう
④ その許可証を持って、お墓・納骨堂へ納骨
⑤ この許可証は一生しまっておく(後で必要になります)
4. まぎらわしい3つの「許可」の違い
- 火葬許可証:亡くなった市区町村が出す。火葬するための許可。火葬後は埋葬許可の役割も兼ねる。
- 埋葬許可証:火葬をせずに土葬する場合に市区町村が出す許可。火葬が一般的な今はほとんど使われません。
- 改葬許可証:すでに埋葬・納骨した遺骨を別の場所へ移すとき(墓じまいなど)に必要な許可。遺骨が今あるお墓の所在地の市区町村に申請します。許可が出るまで遺骨を掘り起こしてはいけません。
5. あとで困らないための3つのポイント
- 火葬許可証(火葬済みの証明入り)は捨てない・なくさない:納骨、改葬、相続の手続きなどで「見せてください」と言われることがあります。写真を撮っておくと安心です。
- 「お悔やみ窓口」を使う:多くの市区町村に、死亡届のあとの年金・保険・介護保険などの手続きを一度に案内してくれる窓口があります。1か所ずつ回らずに済みます。
- 葬儀社に任せる範囲を確認する:死亡届の提出や許可証の受け取りまで代行してくれるか、契約前にひとこと確認しておきましょう。
まとめ
- 死亡届は知った日から7日以内。死亡地・本籍地・届出人の住所地のどこか1か所へ。
- 火葬には火葬許可証が必要。火葬の日時・場所が決まっていて、死亡時刻から24時間以上たっていることが条件です。
- 火葬後に許可証へ火葬済みの証明をもらうと、納骨に使えます。これは一生保管します。
- 遺骨を移すときは別に改葬許可証が要ります。
- 休日・夜間は許可証の交付が受けられないことがあるので、事前に確認しましょう。
※この記事は、墓地、埋葬等に関する法律、法務省および各市区町村(横浜市・豊島区・港区・つくば市など)の公表している死亡届・火葬許可の案内をもとに作成しています。届出の期限、必要な書類、窓口の受付時間、許可証の交付方法は市区町村によって異なります。実際の手続きはお住まい(または死亡地・本籍地)の市区町村の窓口、葬儀社、石材店などの専門家にご相談ください。相続や遺言など法律に関わる判断は、弁護士・司法書士などの専門家にご相談ください。
← 記事一覧に戻る