2026年10月25日
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高額介護サービス費とは?介護保険の自己負担に上限がある「高額介護サービス費」のしくみと申請方法をわかりやすく解説
「デイサービスに週3回通い、ヘルパーさんにも来てもらっているけれど、毎月の支払いが1万5,000円を超えて家計が苦しい」——そんなときに思い出していただきたいのが高額介護サービス費(こうがくかいごサービスひ)です。
介護保険のサービスは、原則として費用の1割・2割・3割を自分で払います。けれども、1か月に払った金額が所得に応じた上限を超えたとき、超えた分があとから戻ってくるしくみがあります。医療費の「高額療養費」の、介護版です。
この記事では、上限額の目安、申請のしかた、対象にならない費用、そして医療費とセットで使える制度まで、順番に説明します。
・高額介護サービス費は、1か月の介護サービス自己負担が上限を超えたとき、超えた分が戻る制度です。
・上限額の目安は、住民税非課税で所得が一定以下の方は月1万5,000円、住民税非課税でそれ以外の方は月2万4,600円、それ以外(一般)の方は月4万4,400円です。
・申請は市区町村の窓口へ。対象になりそうな方には、おおむね2〜4か月後に申請書(はがき)が届きます。申請しないと戻りません。
・ケアマネジャーさんに「高額介護サービス費は対象になりますか」と聞くのが一番早い確認方法です。
しくみ——「払いすぎた分が戻る」だけでなく「最初から上限で止める」方法も
高額介護サービス費には、2つの受け取り方があります。
- ① あとから戻る「償還払い(しょうかんばらい)」:毎月いったん全額を払い、上限を超えた分が指定の銀行口座に振り込まれます。
- ② 最初から上限で止まる「現物給付(げんぶつきゅうふ)」:市区町村の窓口で申請して認められると、介護サービス事業者への支払いが最初から上限額で止まり、立て替えが不要になります。毎月の現金の行き来がなくなるので、家計の管理がぐっと楽になります。
「毎月払って、あとから戻ってくる」より、「最初から払わなくて済む」ほうが安心です。継続的に上限を超えている方は、現物給付の申請をおすすめします。詳しくは市区町村の介護保険担当課にご相談ください。
上限額の目安(1か月あたり)
上限額は、世帯の所得で決まります。同じ世帯で介護保険サービスを使っている方がいる場合は、世帯で合算されます。夫婦で介護サービスを使っている場合も合算の対象です。
| 所得の区分 | 負担割合 | 1か月の上限額 |
|---|---|---|
| 住民税非課税・所得が一定以下 | 1割 | 15,000円 |
| 住民税非課税(上記以外) | 1〜2割 | 24,600円 |
| 上記以外(一般) | 1〜3割 | 44,400円 |
「所得が一定以下」の目安は、年金収入が単身で年間80万円以下、2人以上世帯で年間160万円以下といった基準です。正確な判定は市区町村が行いますので、ご自身がどこに入るかは市区町村の窓口でご確認ください。
なお、同じ世帯に現役並み所得(課税所得145万円以上など)の方がいる場合は、上限額が高い区分になることがあります。
一般所得(上限月4万4,400円)の方が、要介護3でデイサービス・訪問介護・福祉用具レンタルを利用し、1か月の自己負担が6万2,000円になったとします。
6万2,000円 − 4万4,400円 = 1万7,600円が戻ります。
※実際の上限は所得・世帯の状況で変わります。金額はあくまで目安です。
対象になる費用・ならない費用
高額介護サービス費の計算に入るのは、介護保険が適用されるサービスの自己負担分です。具体的には、訪問介護、通所介護(デイサービス)、短期入所(ショートステイ)、特別養護老人ホームなどの施設サービス、福祉用具レンタル、住宅改修費などです。
一方、次のような費用は対象になりません。
- 食費・居住費(滞在費):施設やショートステイの食事代、部屋代は介護保険の給付対象外なので、上限の計算に入りません。
- 日常生活費:理美容代、洗濯代、おやつ代など。
- 自費のサービス:保険外の家事代行、外出付き添いなど。
- 介護保険の対象にならない医療費:医療費は「高額療養費」の制度で別に計算します。
「思ったより戻りが少ない」と感じたら、食費や居住費が含まれていないことが理由かもしれません。
申請のしかた——届いたはがきを捨てないでください
- 対象になりそうな方には、利用した月からおおむね2〜4か月後に、市区町村から申請書(はがき形式のことが多い)が届きます。
- 必要事項を記入し、振込先の口座を指定して、市区町村の窓口・郵送などで提出します。
- 審査のあと、指定の口座に振り込まれます。申請から支給までは1〜2か月かかることがあります。
高額介護サービス費を受け取る権利は、サービスの利用があった月の翌月1日から2年で時効になります。はがきが届いたままになっていた、引っ越して住所が変わった、といった場合は、早めに市区町村へお問い合わせください。
医療費と合算できる「高額介護合算療養費」
医療費と介護費の両方がかかっている方は、もう一つの制度が使えます。それが高額介護合算療養費(こうがくかいごがっさんりょうようひ)です。
これは、毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間について、医療保険の自己負担(高額療養費で戻った分を除く)と介護保険の自己負担(高額介護サービス費で戻った分を除く)を世帯で合算し、所得に応じた年間の上限を超えた分が戻る制度です。
「入院もしたし、介護サービスも使っている」という年は、思わぬ還付になることがあります。市区町村の窓口で「合算療養費は対象ですか」と聞いてみてください。
負担を軽くするための3つのポイント
- ① ケアマネジャーさんに相談する:毎月の支払いが上限に近い、または超えている場合は、ケアマネジャーさんが状況を把握しています。「高額介護サービス費や現物給付は使えますか」と聞いてみましょう。
- ② 区分変更や負担割合の見直しを確認する:所得が下がった年は、負担割合が3割から1〜2割に変わる、または非課税区分になることがあります。毎年8月に判定されるので、届く通知を確認しましょう。
- ③ 領収書をまとめておく:事業者ごとに領収書が分かれるため、1か月分をまとめて保管しておくと、申請のときに金額を確認しやすくなります。
まとめ
- 高額介護サービス費は、1か月の介護サービス自己負担が上限を超えたら戻る制度です。
- 上限額の目安は1万5,000円/2万4,600円/4万4,400円。所得と世帯で決まり、世帯で合算されます。
- 食費・居住費・自費サービスは対象外です。
- 申請は市区町村へ。時効は2年。継続的に超える方は現物給付を検討しましょう。
- 医療費と介護費の両方がかかる方は高額介護合算療養費も使える場合があります。
※この記事は、厚生労働省「高額介護サービス費の支給について」など公的機関の公表情報をもとに作成しています。上限額、所得区分の判定、申請の方法、現物給付の取り扱いは、お住まいの市区町村によって異なります。ご自身の負担額や制度の利用については、市区町村の介護保険担当課、担当のケアマネジャー、地域包括支援センターなどの専門家にご相談ください。介護サービスの利用計画や医療に関する判断は、必ず担当の専門職の指示に従ってください。
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