← シニアの知恵袋 トップに戻る

2026年10月24日

⏱ この記事は約7分で読めます

健康維持・介護予防のイメージ

高額療養費の上限額が2026年8月から変わりました|70歳以上の外来負担と年間上限をわかりやすく解説

「病院代が毎月ばかにならない」「入院したら一体いくら払うのか」——そんな不安をやわらげてくれるのが高額療養費(こうがくりょうようひ)制度です。窓口で払う医療費が、所得に応じた上限額を超えると、超えた分があとから戻ってきます。

この制度は2026年8月の診療分から上限額が見直されました。新しく「年間上限(ねんかんじょうげん)」という考え方が加わり、長く通院・入院を続ける方の負担が軽くなる場合があります。この記事では、今の上限額の目安、戻ってくるお金の手続き、負担を軽くするコツを順番に説明します。

先に結論から
・高額療養費は、1か月の窓口負担が上限額を超えたとき、超えた分が戻る制度です。
・70歳以上・一般所得の方は、外来(通院)が月2万2,000円、年間21万6,000円、入院を含めた世帯の上限は月6万1,500円が目安です。
・申請は市区町村の窓口で、通常は診療月から3〜4か月後に案内が届きます。放っておくと時効(2年)で消えてしまいます。
・限度額認定証(マイナ保険証なら登録でOK)を使えば、窓口での支払いを最初から上限額で止められます。

高額療養費制度とは——「払いすぎた分が戻る」しくみ

医療費は、窓口で1〜3割を払います。ただし、手術や長期の入院、高額な薬などで自己負担が大きくなると、家計が一気に苦しくなります。そこで、1か月(1日〜末日)に払った保険適用の医療費が一定の自己負担限度額を超えたとき、超えた分が高額療養費として支給されます。

ここで大切なのは、「窓口で払った額」ではなく「保険適用の医療費(10割)から計算する」という点です。次の計算式で、ざっくりした上限額がわかります。

上限額の計算式(70歳以上・一般所得の場合)
・外来(通院):月2万2,000円(年間上限21万6,000円)
・外来+入院(世帯単位):月6万1,500円(多数回該当は4万4,400円)
・現役並み所得(課税所得145万円以上):月8万5,800円+(医療費−28万6,000円)×1%
※差額ベッド代・食事代・自費の診療・保険外の薬は対象になりません。

2026年8月から何が変わったのか

今回の見直しのポイントは、次の3つです。

なお2027年8月にも所得区分の細分化を含む見直しが予定されています。制度は今後も変わる可能性があるため、最新の情報は加入している医療保険(後期高齢者医療広域連合・健康保険組合・市区町村の国保窓口)で確認しましょう。

70歳以上の上限額の目安(2026年8月〜2027年7月)

所得区分によって上限額は大きく変わります。自分の区分は、毎年8月に前年の所得で判定されます。

所得の目安窓口負担外来(月)外来+入院(月)
課税所得690万円以上3割—27万300円+1%
課税所得380万円以上3割17万9,100円+1%
課税所得145万円以上3割8万5,800円+1%
一般(上記以外)1〜2割2万2,000円
(年間21万6,000円)
6万1,500円
住民税非課税1割1万1,000円
(年間9万6,000円)
2万5,700円
非課税・所得が一定以下1割8,000円1万5,700円

「+1%」は、医療費が一定額を超えた分の1%を上乗せするという意味です。たとえば現役並み所得(145万円以上)の方が医療費50万円(3割負担)の入院をした場合、窓口では15万円を払いますが、計算上の上限は約10万7,000円なので、約4万円ほど戻ってくることになります。

戻ってくるお金の手続き——放っておくと時効

高額療養費は自動では振り込まれません(※)。対象になる世帯には、多くの場合診療月から3〜4か月後に、加入している保険から申請書(はがき)が届きます。

  1. 届いたはがき(申請書)に記入して、市区町村の窓口・郵送・マイナポータルなどで申請します。
  2. 指定した口座に後日振り込みされます。申請から支給までは、おおむね1〜2か月かかることがあります。
  3. 時効は診療を受けた月の翌月1日から2年です。忙しさで忘れていると、戻るはずのお金が消えてしまいます。

※一部の自治体では申請書が届く前に支給される「自動払い」を行っているところもあります。詳しくは保険者にご確認ください。

負担を軽くする4つのポイント

注意しておきたいこと

まとめ

※この記事は、厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」「高額療養費制度の見直しについて」など公的機関の公表情報をもとに作成しています。上限額や所得区分の判定、申請の方法は、加入している医療保険やお住まいの市区町村によって異なる場合があります。ご自身の負担額や制度の利用については、加入している医療保険の窓口や市区町村の担当課、医療ソーシャルワーカーなどの専門家にご相談ください。治療の内容や受診の判断は、必ずかかりつけ医の指示に従ってください。

← 記事一覧に戻る