2026年10月22日
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自分で立ち上がれない|ベッド・布団・イスからの起き上がり方を高齢者向けにわかりやすく解説
「このごろ、イスから自分で立てなくなった」「ベッドから起き上がるのがつらい」——年を重ねると、誰にでも起こりうることです。でも、立ち上がり方は少しの工夫でぐんと楽になります。この記事では、なぜ立てなくなるのか、今日からできる起き上がり方のコツ、家具や手すりの整え方、そして医療機関に相談したほうがよいサインを順番に説明します。
・立ち上がれなくなる大きな原因は脚の筋肉(太もも・おしり)の衰えです。
・ベッドや布団では「横向きになって手をつく」、イスでは「お尻を前に出して上体を前へ」が基本です。
・イスの座面はひざより少し高いくらい、ひじかけがあると立ち上がりやすくなります。
・急に立てなくなった、痛みがある、ふらつくときは病気が隠れていることがあります。早めに受診してください。
なぜ「立てない」が起こるのか
立ち上がるとき、私たちは太ももの前(大腿四頭筋)とおしり(大殿筋)の力で体を持ち上げています。次のことが重なると、その力が出しにくくなります。
- 筋肉が減る(サルコペニア):加齢や運動不足で脚の筋肉が細くなります。
- 膝や股関節の痛み:痛みをかばううちに、立てる力そのものが落ちていきます。
- バランスの低下:立った瞬間にふらつき、また座ってしまう。
- 病気や薬の影響:脳の病気、パーキンソン病、心不全、貧血、薬の副作用などでも立てなくなります。
ベッド・布団からの起き上がり方
いきなり上体を起こそうとするのがいちばん危ないやり方です。腰を痛めやすく、ふらついて転倒することもあります。次の順番で動いてみてください。
- 横向きになり、下になった腕のひじで体を支える:膝を軽く曲げてから、ひじで上半身を押し上げます。
- 両手をつき、手で支えながらゆっくり上体を起こす:一度に起き上がらず、2〜3回に分けて。
- ベッドの端に腰をかけ、足を下ろしてから立ち上がる:靴かスリッパを履くと床で滑りにくくなります。
布団の場合は、まわりに手をつける台(小さな机など)を置くと楽になります。タンスや押入れに手をかけて起き上がるのは、倒れてくる危険があるので避けてください。
イスからの立ち上がり方
大切なのは、お尻を前に出し、上体を前へ倒すこと。浅く座ると立ち上がりがとても大変になります。
- お尻を座面の後ろへ深く座る(寄りかからない程度)。
- 足を少し後ろへ引き、両足の裏を床につける。
- お尻を前に滑らせ、鼻先がつま先より前へ出るまで上体を前傾させます。
- ひざを押すようにしてゆっくり腰を上げ、「ふーっ」と息を吐く。立ったら1〜2秒バランスを確かめてから歩き出します。
・いすのひじかけを両手で押す
・机やテーブルの端に手をつく
・太ももに両手を置き、ひざを押し下げるようにして立つ
無理に手を使わず立とうとするより安全で疲れません。手を使うことは恥ずかしいことではありません。
家具と手すりの整え方
立ち上がりやすさは家具の高さで大きく変わります。座面が低すぎると深くしゃがみ込む形になり、立てなくなります。
| 場所 | 目安 |
|---|---|
| イスの座面 | ひざの高さと同じくらいで、座ったとき足の裏が床につき、ひざが90度くらいになる高さ。 |
| ベッドの高さ | 腰かけたとき足の裏が床につき、ひざが90度くらいになる高さ。 |
| 便座 | 立ち上がりやすいよう補高便座や手すりを使う。和式から洋式へ替えるのも方法です。 |
| 浴室 | 浴槽の縁に手すり、脱衣所にすのこ・滑り止めマットを敷く。 |
手すりの設置は介護保険の「住宅改修」の対象です。要介護・要支援の認定を受けた方が対象で、支給限度額は20万円(その1〜3割が自己負担)。担当のケアマネジャー(介護支援専門員)にご相談ください。
明日からできる「立ち上がり力」の運動
立ち上がる力は何歳からでも鍛えられます。手すりやテーブルのそばで、無理のない範囲で行ってください。
- ゆっくり立ち座り:ひじかけのあるイスで1日5〜10回。痛みがあれば中止を。
- 太もも上げ・かかと上げ:座ったまま片足ずつ上げ下げ、立って机に手をつきかかと上げ。家の中をこまめに歩くだけでも効果があります。
食事ではたんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品・乳製品)を毎食とりましょう。持病で運動を制限されている方は、主治医に確認してから始めてください。
すぐに受診したほうがよいサイン
原因が筋力の衰えだけとは限りません。次の変化があれば早めに受診してください。
- 急に立てなくなった、片側の手足が動きにくい、ろれつが回らない(脳卒中の可能性)
- 発熱・息切れ・動悸・顔色が悪い(感染症・心不全・貧血など)、膝や腰に強い痛みがある
- 手が震える・体がこわばる・歩幅が小さい(パーキンソン病などの可能性)、食事がとれず体重が減っている
転んで痛みで動けない・頭を打ったときは、無理に動かず119番やかかりつけ医に連絡を。
まとめ
- 主な原因は脚の筋肉の衰え。工夫と運動で改善できます。
- ベッド・布団は横向きから、イスはお尻を前に・上体を前へが基本です。
- イスの高さをひざに合わせる、ひじかけ・手すりを活用する。
- 急な変化や痛み、発熱があるときは病気が隠れているので受診を。
※この記事は、消費者庁「住環境における高齢者の事故について」など公的機関の公表情報をもとに作成しています。原因や運動の適否は一人ひとりの体の状態で異なります。医療・リハビリの判断は、必ずかかりつけ医や理学療法士などの専門家にご相談ください。介護保険の利用は、地域包括支援センターやケアマネジャーにご相談ください。
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