2026年10月18日
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障害年金はもらえる?高齢者・シニアの受給要件と請求方法をわかりやすく解説
「年だからもう年金はもらっている」と思っていても、障害年金は老齢年金とは別の制度です。病気やけがで思うように体が動かなくなったとき、もらい忘れているお金がかなりあるかもしれません。障害年金の請求には期限があり、申請した月からしか支給されない仕組みです。ここでは、65歳前後の方が知っておきたい要件・手続き・金額を、日本年金機構の公表内容をもとに整理します。
障害年金とは|老齢年金とは別の「もう一つの年金」
障害年金(しょうがいねんきん)は、病気やけがで一定の障害の状態になったときにもらえる年金です。働けなくなった方や、日常生活に大きな支障が出ている方を支えるための制度で、次の3種類があります。
| 種類 | 対象になる等級 | だれが対象か |
|---|---|---|
| 障害基礎年金 | 1級・2級 | 国民年金に加入していた期間に原因の初診日がある方 |
| 障害厚生年金 | 1級・2級・3級 | 厚生年金に加入していた期間に初診日がある方 |
| 障害手当金 | 3級より軽い一定の状態 | 厚生年金加入者。年金ではなく一時金 |
障害厚生年金を受ける方には、条件を満たせば障害基礎年金もあわせて支給されます(1級・2級の場合)。
もらえるかどうかは「3つの要件」で決まる
要件1:初診日(しょしんび)
初診日とは、その病気やけがで初めて医師の診療を受けた日です。転院していても、同じ病気なら一番最初にかかった日が初診日になります。
- その初診日が国民年金に加入していた期間にある → 障害基礎年金
- 厚生年金に加入していた期間にある → 障害厚生年金
- 20歳より前、または60歳以上65歳未満で年金制度に入っていない期間にある → 障害基礎年金(20歳前の場合は保険料の納付要件は不要)
要件2:保険料の納付要件
初診日の前日までの保険料について、納めていない期間がないことが基本です。原則は「初診日の前々月までの加入期間のうち、納付済みと免除期間が3分の2以上」であること。
ただし、初診日が令和18年3月末日までの場合は、初診日に65歳未満であれば「直近1年間に未納がない」だけで足ります(特例)。
要件3:障害の状態(障害認定日・障害等級)
障害認定日(しょがいんていび)とは、初診日から1年6か月たった日(それより早く症状が固定したときはその日)のこと。この日に1級または2級の状態にあれば受給できます。
・1級:他人の介助がなければ日常生活がほとんどできない状態。活動の範囲がベッドの周辺に限られるなど
・2級:必ずしも介助は要らないが、日常生活が極めて困難で、働いて収入を得ることができない状態。活動の範囲が家屋内に限られるなど
・3級(厚生年金のみ):日常生活にはほとんど支障はないが、労働に著しい制限がある状態
手帳が3級だから年金は無理、と決めつけないでください。逆に手帳を持っていなくても請求できます。判定は医師の診断書などをもとに年金の基準で行われます。
請求のしかたは2通り|「認定日請求」と「事後重症請求」
1.障害認定日による請求
障害認定日にすでに1級・2級の状態だった場合です。障害認定日の翌月分から年金がもらえます。請求書はいつ出してもかまいませんが、さかのぼって受けられるのは時効により5年分までです。
2.事後重症(じごじゅうしょう)による請求
障害認定日の時点では等級に届かなかったけれど、その後症状が悪化して1級・2級になった場合です。こちらは請求した日の翌月分からの支給になります。つまり1か月でも請求が遅れると、受け取れるお金が減ります。
日本年金機構は、事後重症による請求は65歳の誕生日の前々日までに請求書を提出する必要があるとしています。たとえば65歳の誕生日が5月10日なら、5月8日が提出期限です。「まだ早い」と思っていても、期限を過ぎると二度と請求できません。
いくらもらえる?(令和8年4月分から)
| 種類 | 等級 | 年額 |
|---|---|---|
| 障害基礎年金 | 1級 | 1,059,125円 |
| 障害基礎年金 | 2級 | 847,300円 |
| 障害厚生年金 | 3級(最低保障額) | 635,500円 |
※昭和31年4月1日以前生まれの方は金額が少し異なります(2級で844,900円)。
※障害厚生年金の1級・2級は、これに報酬に応じた報酬比例部分が加わります。
※18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で1・2級の状態にある子がいれば子の加算(2人まで1人243,800円)があります。
高齢者ならではの注意点
- 65歳からは老齢年金との調整がある:65歳以降は、障害基礎年金と老齢基礎年金など、同じ種類の年金はどちらか一方の受給になります。受け取る額は、障害年金の額か老齢年金の額の高いほうが基本です。障害厚生年金の2級までは、老齢厚生年金と併給できる場合があります。
- 老齢年金を繰り上げると影響が出ることがある:老齢基礎年金を繰上げ受給していると、障害基礎年金の請求に制限がかかる場合があります。繰上げを考えている方は、先に年金事務所で確認してください。
- 初診日が古い場合は記録の確認から:若いころの病気が原因なら、初診日や加入制度の確認に時間がかかります。古い共済組合の加入歴がある方は特に、早めに相談しましょう。
請求までの流れ
- 年金事務所(または市区町村の窓口)へ相談:初診日・加入制度・納付要件を確認します
- 必要書類をそろえる:請求書、医師の診断書、受診状況等証明書(初診日を証明する書類)、病歴・就労状況等申立書など
- 診断書を依頼する:医師に書いてもらうため1〜2か月かかることがあります
- 提出する:審査には通常3か月程度かかります
結果に納得できないときは、不服申立てができます。診断書の内容や病歴・就労状況等申立書の書き方で結果が変わることがあるため、社会保険労務士(社労士)に相談する方法もあります。
まとめ
- 障害年金は老齢年金とは別の制度。高齢になってからでも請求できます
- カギは初診日・納付要件・障害の状態の3つ
- 認定日請求は5年分までさかのぼれる、事後重症は請求した月の翌月分から
- 事後重症の請求書は65歳の誕生日の前々日が提出期限
- 令和8年度は障害基礎年金2級が年額847,300円、障害厚生年金3級の最低保障が635,500円
- 心当たりがある方は、まず年金事務所へ無料相談を
「こんなものでもらえるはずがない」と決めつけてしまうと、受け取れたはずのお金がそのまま消えてしまいます。請求は無料で、相談も無料です。気になる症状がある方は、今日、お近くの年金事務所に電話をしてみましょう。
この記事は一般的な情報をお伝えするものです。年金額や要件は年度や生年月日によって変わるため、必ず日本年金機構・年金事務所などの公式情報で確認してください。障害の状態の判断や請求手続きについては、医師・社会保険労務士など専門家に相談してください。