2026年10月3日
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帯状疱疹の初期症状と治療|高齢者が知っておきたい帯状疱疹後神経痛の予防をわかりやすく解説
「体の片側だけがチクチク痛む」「痛いと思っていたら、赤い発疹(ほっしん:皮膚のブツブツ)が出てきた」——これが帯状疱疹(たいじょうほうしん)の典型的な始まり方です。帯状疱疹は50歳を過ぎたころから増え始め、80歳までに約3人に1人が経験すると言われています。しかも高齢になるほど、治ったあとに痛みが残る「帯状疱疹後神経痛(たいじょうほうしんごしんけいつう)」になりやすくなります。この記事では、帯状疱疹の初期症状と、早く治すために大切なことを、専門用語の解説付きでわかりやすく説明します。
帯状疱疹とは?なぜ起こるのか
帯状疱疹は、水ぼうそう(水痘)と同じウイルスが原因で起こる病気です。多くの方は子どものころに水ぼうそうにかかったことがあると思いますが、そのウイルスは治ったあとも完全には消えず、体の中の神経のそばで静かに隠れて眠り続けています。
ところが、加齢・疲れ・ストレス・病気などで体の免疫力(めんえきりょく:体を守る力)が下がると、眠っていたウイルスが目を覚まし、神経に沿って暴れ出します。そして、その神経が通っている皮膚の部分に、痛みと発疹が現れるのです。
帯状疱疹の一番の特徴は、体の左右どちらか片側だけに症状が出ることです。神経は左右に分かれて走っているため、帯状疱疹が両側に同時に出ることはほとんどありません。「おなかの右半分だけ」「顔の左半分だけ」といった出方をします。
帯状疱疹の初期症状|こんなサインに気づいて
帯状疱疹は、次のような順番で進むことが多いです。
1. まず「痛み」から始まることが多い
発疹より先に、体の片側にピリピリ・チクチク・ズキズキとした痛みや、やけどしたような感覚、しびれを感じます。この段階では皮膚に何も見えないため、「神経痛かな」「胃が痛いのかな」と思って我慢してしまう方が少なくありません。痛みが出てから発疹が出るまで、2〜3日かかることが多いです。
2. 赤い発疹と水ぶくれが出てくる
痛みのあった場所に、赤みのある発疹が出て、その上に小さな水ぶくれ(水疱:すいほう)が帯のように並びます。ここまで来ると、見た目で帯状疱疹とわかることが多くなります。
3. 1〜2週間でかさぶたになり、治っていく
発疹は通常1週間ほどでピークを迎え、2〜3週間でかさぶたになって治っていきます。
①痛む場所が体の片側だけ ②痛みはチクチク・ピリピリという神経の痛み ③あとから赤い発疹や水ぶくれが出てくる
顔、特に目の周りや鼻の先に発疹が出た場合は、目や耳の神経が傷つき、視力の低下や聴力の低下、顔のマヒを起こす危険があります。この場合はできるだけ早く眼科・皮膚科を受診してください。
一番大事なこと|早く治療を始めると後遺症を防げる
帯状疱疹で最も大切なのは、症状が出てからできるだけ早く治療を始めることです。なぜなら、治療が遅れると、発疹が治ったあともピリピリとした痛みが続く「帯状疱疹後神経痛」になりやすいからです。
帯状疱疹後神経痛は、高齢になるほど起こりやすいと言われています。60代では2割前後、70代では3割前後、80代以上では5割近くにのぼるという報告もあります。一度なると、数か月から数年、人によってはそれ以上続くことがあり、眠れないほどの痛みになることもあります。
帯状疱疹には、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬(こうウイルスやく)が使われます。この薬は、発疹が出てからおよそ72時間(3日)以内に使い始めると、よく効くとされています。「まだ発疹が少ないから」と様子を見ずに、痛みや違和感が出た時点で早めに皮膚科を受診しましょう。
帯状疱疹ワクチンという予防法
帯状疱疹には、かからないようにするためのワクチンがあります。日本では次の2種類が使われています。
- 生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン):1回の接種。帯状疱疹の発症をおよそ5割減らし、帯状疱疹後神経痛をおよそ6割減らすとされます。値段が比較的安いのが特徴です
- 不活化ワクチン(組み換え帯状疱疹ワクチン):2回の接種。発症をおよそ9割減らし、帯状疱疹後神経痛をおよそ9割減らすとされます。効果は高いですが、値段も高めです
接種は任意(自分で決める)ですが、50歳以上の方には接種が勧められています。また、自治体によっては費用の一部を助成しているところがあります。お住まいの市区町村の窓口や、かかりつけ医にご相談ください。なお、どちらのワクチンがよいか、持病があっても接種できるかは、医師に判断してもらう必要があります。
日常生活でできる予防と心がけ
帯状疱疹は、免疫力が下がったときに起こりやすくなります。日ごろから次のことを心がけましょう。
- しっかり休む:睡眠不足や疲れは免疫力を下げます。無理をしないことが一番の予防です
- バランスよく食べる:肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質は、体を守る力のもとになります
- 適度に体を動かす:無理のない範囲の散歩や体操が免疫力を保ちます
- ストレスをためない:心配ごとは一人で抱えず、家族や相談窓口に話しましょう
まとめ
- 帯状疱疹は、水ぼうそうのウイルスが免疫力の低下で目を覚まして起こる
- 体の片側だけの痛み・チクチクした痛みから始まり、あとから発疹が出る
- 治療は早いほどよい。発疹が出てから72時間以内に抗ウイルス薬を使うと後遺症を防ぎやすい
- 治ったあとに痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」は、高齢者ほど起こりやすい
- ワクチンで予防できる。自治体の助成制度がある場合もある
- 顔、特に目の周りの帯状疱疹は危険なので、すぐに受診する
この記事は一般的な情報をお伝えするものです。症状の感じ方も、治療の進め方も、持病の有無によって変わります。痛みや発疹が気になるときは、自己判断で様子を見ずに、かかりつけ医や皮膚科など専門家(医師)に相談してください。
「年のせいでピリピリするだけだろう」と思って我慢してしまう方がとても多い病気です。早く受診することが、いちばんのお薬です。ご家族やお友達にも、ぜひこの記事の内容を教えてあげてください。