2026年9月30日
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年金の繰上げ受給とは?60歳からもらうとどうなるか|減額率の計算をわかりやすく解説
年金は原則として65歳からもらえますが、「60歳からでももらえますよ」と聞いたことはありませんか。このしくみを繰上げ受給(くりあげじゅきゅう)といいます。ただし、早くもらうとひと月ごとに年金額が0.4%ずつ減り、一生その金額が続きます。この記事では、いくら減るのか、どんな人が向いているのかを、専門用語の解説付きでわかりやすく説明します。
繰上げ受給とは?
繰上げ受給とは、本来もらえる年齢(原則65歳)より早く、60歳から65歳になるまでの間で年金を受け取り始められる制度です。老齢年金(ろうれいねんきん:自分が払った保険料に応じてもらえる年金)が対象です。
早くもらえるので生活費の足しになりますが、その分ひと月ごとに金額が減らされ、減った金額が一生続きます。この点がもっとも大切なところです。
いくら減るのか(減額率)
減額の割合は、繰り上げた月数によって決まります。
- 1か月につき0.4%減る
- 65歳から繰り上げられる最大の60歳まで早めると、60か月×0.4%=24%減
・60歳からもらう → 月7万6,000円(24%減)
・63歳からもらう → 月8万8,000円(12%減)
・65歳からもらう → 月10万円(減額なし)
「もとは取れる」のか?損得の目安
減っても早くもらえば、もらう回数は増えます。そのため「何歳まで生きれば得か」を考えることが大切です。これを損益分岐点(そんえきぶんきてん)といいます。
| もらい始める年齢 | 減額率 | 損得の分かれ目(目安) |
|---|---|---|
| 60歳 | 24%減 | 約81歳 |
| 65歳 | 減額なし | ― |
| 70歳(繰下げ) | 42%増 | 約82歳 |
つまり、81歳くらいより長生きすると考えられる方は、65歳で受け取るほうが総額は多くなります。逆に、健康に不安がある方や、今すぐ生活費が必要な方は、繰上げが助けになることもあります。なお、繰下げ受給(65歳より遅らせると1か月0.7%ずつ増える制度)と比べると、繰上げは「早くもらえるが一生減る」、繰下げは「遅くもらえるが一生増える」という正反対の制度です。
繰上げ受給の注意点
- 金額は一生変わらない:あとから「やっぱり65歳にもどしたい」と変更することはできません
- 国民年金の保険料を払っていない月があると、その分も減ります:未納の期間は繰上げできません
- 障害年金や寡婦年金がもらえなくなることがある:すでに障害年金を受け取っている方などは、繰上げると受け取れなくなる場合があります
- 税金・国民健康保険料が増えることがある:年金以外の収入がある方は、保険料の負担が重くなることがあります
- 加給年金(かきゅうねんきん)がもらえなくなる:扶養する配偶者や子どもがいる場合に加算されるお金ですが、繰上げると支給されません
繰上げ受給は一度手続きすると取り消せません。金額の計算や、ご自身の家計への影響は人によって大きく違います。手続きの前に、年金事務所や地域の社会保険労務士(しゃかいほけんろうむし:年金や社会保険の専門家)に相談してから決めることをおすすめします。
手続きのしかた
- ねんきん定期便や「ねんきんネット」で、ご自身の年金額を確認する
- 年金事務所へ相談し、減額後の金額を試算してもらう
- 請求書(繰上げ請求書)を提出する。希望するもらい始めの月の前月末日までに手続きが必要です
- マイナンバーカードと本人確認書類、通帳などを用意する
くわしくは日本年金機構のホームページや、お近くの年金事務所でご確認ください。
まとめ
- 繰上げ受給は60歳〜64歳の間に年金をもらい始められる制度
- 1か月0.4%ずつ減り、60歳まで早めると24%減になる
- 減った金額は一生続き、あとから取り消せない
- 損得の分かれ目はおよそ81歳。長生きすると思う方は65歳受給が有利
- 手続きの前に、年金事務所など専門家に相談してから決める
年金は、人生の後半を支える大切なお金です。あわてて決めず、ご家族ともよく話し合ってくださいね。この記事が参考になったら、まわりのお友達にも教えてあげてください。