誤嚥性肺炎を防ぐ!飲み込み(嚥下)機能を保つ簡単な対策をわかりやすく解説
2026年9月3日 | カテゴリ: 健康
「食事中にむせることが増えた」「お茶を飲むとせき込む」「飲み込むときに違和感がある」——年を重ねると、飲み込みがスムーズにいかなくなることがあります。このような変化は、放置すると誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)という重い病気につながることもあります。
この記事では、誤嚥性肺炎の原因と症状、そして高齢者が今からできる嚥下(えんげ)機能を守る簡単な予防方法を、専門用語を解説しながらわかりやすくお伝えします。日々の生活でできることから始めてみましょう。
誤嚥性肺炎とは|「誤嚥」と「飲み込み」の仕組み
誤嚥(ごえん)とは、食べ物や飲み物、唾液(つば)が、食道ではなく気道(息の通り道)に入ってしまうことをいいます。誰にでもうっかりむせることはありますが、加齢とともに飲み込む力(嚥下機能)が衰えると、誤嚥が起こりやすくなります。
誤嚥したときに、食べ物や唾液に含まれる細菌が肺に入り込み、炎症を起こすのが誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)です。高齢者では命に関わることもある、注意が必要な病気です。
発熱、せき、痰(たん)が増える、息苦しい——といった肺炎の症状に加えて、食事中や就寝中にむせることが増える、食事に時間がかかる、口の中が汚れやすい、声がガラガラになる、といった「むせ」のサインが現れることがあります。早めに気づくことが大切です。
誤嚥性肺炎を起こしやすい人・要注意のサイン
次のような方や状態は、誤嚥性肺炎のリスクが高くなると考えられています。
- 年齢が高い方:加齢とともに飲み込む力やせきをする力が衰えます
- むせることが増えた方:食事中や水分補給のたびにせき込む
- 歯や口の状態が悪い方:入れ歯の不具合や歯周病で、細菌が口の中で増えやすい
- 薬の影響がある方:眠気を起こす薬や、唾液を減らす薬などで誤嚥が起こりやすくなることがあります
- 姿勢が悪い方:前かがみや横になって食べていると、誤嚥しやすくなります
発熱やせき、息苦しさに加えて、食事をしなくてもむせが続く、ぐったりして元気がない、痰(たん)の色が濃くなる——といった場合は、誤嚥性肺炎を含む肺炎の可能性があります。すぐに医療機関で診てもらいましょう。
今からできる誤嚥性肺炎の予防|毎日の生活でできること
誤嚥性肺炎は、日々の小さな工夫で防ぐことができます。無理せず、できるところから始めましょう。
1. 正しい姿勢で食べる
食事中は背筋を伸ばして、やや前かがみ(軽く前に傾けた姿勢)で食べましょう。顎(あご)を少し引いた姿勢は、気道に入りにくくする効果があります。横になって食べるのは避けてください。
2. よく噛んで、ゆっくり飲み込む
一口の量を少なくし、よく噛んで、ゆっくりと「ゴックン」と意識しながら飲み込みましょう。テレビを見ながらではなく、食べることに集中することが大切です。食事中は水分もこまめにとり、口の中を潤してから飲み込むとスムーズです。
3. 口の中を清潔に保つ
口の中の細菌が肺炎の原因になります。毎日の歯磨きはもちろん、入れ歯もきちんと洗って清潔に保ちましょう。食後には口をゆすぐことで、虫歯や肺炎の予防になります。
4. 喉の周りの筋肉を鍛える
「あ」「い」「う」「え」「お」と口を大きく動かして発声する、首をゆっくり回す、ガラガラうがいをする——といった簡単な体操で、飲み込みに関わる筋肉を保つことができます。毎日続けることが大切です。
・水分は、とろみをつけたものにすると喉を通りやすくなります(とろみ調整食品が便利です)。
・飲み込みにくい方には、食べ物をやわらかくする「介護食(ソフト食)」もあります。
・食べた後は、しばらく座った姿勢を保ち、すぐ横にならないようにしましょう。
まとめ
誤嚥性肺炎は、正しい姿勢で食べる、ゆっくり飲み込む、口の中を清潔に保つ、喉の体操をする——といった毎日の工夫で防ぐことができます。「むせることが増えた」「飲み込みにくくなった」と感じたら、それは体が出しているSOSのサインです。
まずは今日からできる予防をひとつ、始めてみてください。心配な症状がある場合は、早めに医療機関や、地域の歯科・言語聴覚士(げんごちょうかくし)などの専門家に相談しましょう。
飲み込み(嚥下)機能の衰えや誤嚥性肺炎の診断・治療については、必ず医師や歯科医師、言語聴覚士などの専門家にご相談ください。この記事の内容は一般的な情報であり、診断や治療を目的としたものではありません。むせが続く場合や発熱などの症状がある場合は、早めに医療機関にご相談ください。