死後事務委任契約(しごじむいにんけいやく)とは?

「死後事務委任契約」とは、自分が亡くなったあとに必要な手続きや事務作業を、あらかじめ信頼できる人や専門家に頼んでおく契約のことです。

簡単に言えば、「もしものときに備えて、自分に代わってやってほしいことを決めておく」というものです。特に、おひとり暮らしの高齢者や、家族が遠方に住んでいる方にとって、とても大切な準備になります。

ポイント
死後事務委任契約を結んでおけば、自分が亡くなったあと、家の片づけや公共料金の解約、役所の手続きなどを、あらかじめ頼んだ人が行ってくれます。

なぜ死後事務委任契約が必要なのか

日本では一人暮らしの高齢者が増えています。もしものときに、誰が手続きをするのか決まっていないと、次のような問題が起きることがあります。

家族がいても、急に亡くなった場合の手続きはとても大変です。あらかじめ準備しておくことで、残された家族や知人の負担を大きく減らすことができます。

委任できる主な内容

死後事務委任契約で頼めることは、次のようなものがあります。

エンディングノートとの違い

「エンディングノート」と「死後事務委任契約」はよく似ていますが、大きな違いがあります。

両方を準備しておくのが理想的です。エンディングノートに細かい希望を書き、死後事務委任契約で確実に実行してもらう、という組み合わせがおすすめです。

契約の方法と費用

死後事務委任契約は、主に次のような方法で結びます。

契約は公正証書にしておくと、より確実です。公正証書にすることで、契約の存在が公的に証明され、後日「そんな契約は知らない」と言われる心配がありません。

注意点
死後事務委任契約は、あくまで「事務手続き」を委任するものです。財産の管理や処分(遺産相続に関わること)は、別途「任意後見契約(にんいこうけんけいやく)」や「遺言書(ゆいごんしょ)」が必要になります。目的に応じて、複数の準備を組み合わせましょう。

まとめ:今からできる準備

死後事務委任契約は、まだ日本ではあまり知られていませんが、一人暮らしの高齢者が増えるなかで、とても重要な準備です。

まずは、エンディングノートに「自分が亡くなったあとに誰に何を頼みたいか」を書き出してみることから始めましょう。そのうえで、行政書士や司法書士に相談し、正式な契約を結ぶことをおすすめします。

「自分には関係ない」と思わずに、元気なうちから少しずつ準備を進めてください。それが、残された家族や大切な人への、何よりの贈り物になります。

【ご注意】
この記事は一般的な情報提供を目的としており、法律的なアドバイスを提供するものではありません。死後事務委任契約の締結や遺言書の作成については、必ず行政書士や司法書士などの専門家にご相談ください。