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骨粗しょう症(骨粗鬆症)の予防と治療|高齢者が知っておきたいこと
「最近、背中が曲がってきた気がする」「ちょっとつまずいただけで骨が折れた」——そんな経験はありませんか?
それは骨粗しょう症(骨粗鬆症)のサインかもしれません。骨粗しょう症は、骨の強度が低下して骨折しやすくなる病気です。特に高齢の女性に多く、日本では約1,280万人(男性約300万人、女性約980万人)いると言われています。
今回は、骨粗しょう症の原因や予防法、治療についてわかりやすく解説します。
骨粗しょう症とは?
骨は、新しく作られる(骨形成)と古い骨が壊される(骨吸収)を繰り返して、常に生まれ変わっています。これを骨代謝(こつたいしゃ)といいます。
ところが、加齢やホルモンバランスの変化などによって、骨が壊されるスピードが新しく作られるスピードを上回ると、骨の中がスカスカになってしまいます。これが骨粗しょう症です。
💡 ポイント
骨粗しょう症は「骨がもろくなる病気」です。初期にはほとんど自覚症状がなく、気づかないうちに進行することが多いため、「静かな病気(サイレント・ディジーズ)」とも呼ばれています。
骨粗しょう症の原因
骨粗しょう症になる主な原因は次の通りです。
- 加齢:年をとるほど骨密度(骨の量)は減っていきます
- 女性ホルモン(エストロゲン)の減少:閉経後に女性ホルモンが減ると、骨が急に弱くなります。これが女性に多い理由です
- カルシウム不足:骨の材料であるカルシウムが足りないと、骨が弱くなります
- ビタミンD不足:カルシウムの吸収を助けるビタミンDが不足すると、カルシウムがうまく吸収されません
- 運動不足:骨は適度な刺激(重力や筋肉の力)を受けることで強くなります。動かないと骨が弱くなります
- 喫煙・飲みすぎ:タバコやお酒のとりすぎは骨を弱くします
- やせすぎ:体重が軽すぎると骨にかかる負荷が少なく、骨密度が下がりやすくなります
- ステロイド薬の長期使用:喘息や関節リウマチの治療で使うステロイド薬は、骨を弱くする副作用があります
骨粗しょう症の症状
骨粗しょう症は、骨折するまで症状が出にくいのが特徴です。次のような症状や出来事があったら、骨粗しょう症の可能性があります。
- 背中や腰が痛む:背骨(椎骨=ついこつ)がつぶれる「圧迫骨折(あっぱくこっせつ)」が起きているかもしれません
- 身長が縮んだ:2〜3cm以上背が低くなったら要注意です
- 背中が曲がってきた(円背=えんぱい):猫背がひどくなり、いわゆる「おばあさん背中」になります
- ちょっとしたことで骨折した:つまずいただけで手首の骨が折れた、尻もちをついただけで太ももの付け根(大腿骨頸部=だいたいこつけいぶ)を骨折した——これらは典型的な「脆弱性骨折(ぜいじゃくせいこっせつ)」です
⚠ こんな方は要注意
・65歳以上の女性、70歳以上の男性
・閉経後の女性(特に早期閉経の方)
・親が骨折したことがある(遺伝的な要素もあります)
・やせ型の方(BMIが18.5未満)
・ステロイド薬を長期間使っている方
・糖尿病や関節リウマチなどの持病がある方
骨粗しょう症の検査と診断
骨粗しょう症の診断には、骨密度検査(こつみつどけんさ)を行います。これは、レントゲンに似た機械で腰の骨や太ももの骨の密度を測る検査です。痛みはなく、服を着たまま10〜15分程度で終わります。
検査結果は「T値(ティーち)」という数値で表され、若い人の平均値と比べてどのくらい骨密度が低いかを示します。
- T値が−1.0以上:正常
- T値が−1.0〜−2.5:骨量減少(骨粗しょう症の一歩手前)
- T値が−2.5以下:骨粗しょう症と診断されます
自治体の健康診査や人間ドックで骨密度検査を受けられる場合もあります。気になる方は、かかりつけ医や整形外科に相談してみましょう。
骨粗しょう症の予防法
① カルシウムをしっかりとる
骨の材料になるカルシウムは、1日に700〜800mgが推奨されています。カルシウムが多い食品は次の通りです。
- 牛乳・ヨーグルト・チーズ:1日コップ1杯の牛乳(200ml)で約220mgのカルシウムがとれます
- 小魚(ししゃも・煮干し):骨ごと食べられる小魚はカルシウムの宝庫です
- 豆腐・納豆:特に木綿豆腐はカルシウムが豊富です
- 小松菜・チンゲン菜:緑黄色野菜にもカルシウムが含まれています
- ひじき・わかめ:海藻類もおすすめです
② ビタミンDをとる
カルシウムの吸収を助けるビタミンDも大切です。ビタミンDが多い食品は、サケ・サンマ・イワシなどの魚類、干しシイタケ・キクラゲなどのキノコ類、卵です。
また、日光を浴びることもビタミンDを作るのに重要です。1日15分程度、手のひらや顔に日光を当てるだけで十分です。日焼け止めを塗らずに、朝のうちに散歩がてら日光浴をするのがおすすめです。
③ 適度な運動をする
骨に適度な刺激を与えることで、骨は強くなります。次のような運動が効果的です。
- ウォーキング:1日20〜30分、無理のないペースで歩きましょう
- スクワット:椅子に座るような動作をゆっくり10回。ひざが痛い方は浅めに
- かかと落とし運動:つま先立ちになって、かかとをストンと落とす。1日20回程度
- ラジオ体操:全身を動かすのでおすすめです
運動を始める前に、持病や痛みがある方は医師に相談してください。
④ 転倒を防ぐ
骨粗しょう症で一番怖いのは骨折です。特に大腿骨(だいたいこつ)の付け根を骨折すると、寝たきりになるリスクが高まります。転倒を防ぐ工夫をしましょう。
- 家の中の段差をなくす(敷居やマットに注意)
- スリッパではなく靴底のすべりにくい靴を履く
- 夜中にトイレに行くときは必ず電気をつける
- 手すりを設置する(玄関・トイレ・お風呂)
- 視力のチェックも定期的に(見えにくいとつまずきやすくなります)
骨粗しょう症の治療
骨粗しょう症と診断されたら、医師の指導のもとで治療を始めます。治療には次のような方法があります。
薬による治療
骨粗しょう症の治療薬にはいくつかの種類があります。
- ビスホスホネート製剤:骨が壊れるのを抑えるお薬です。週に1回または月に1回の服用で効果があります
- 選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM):女性ホルモンの働きをまねて骨を守るお薬です
- テリパラチド製剤:骨を作る働きを強めるお薬です。毎日の自己注射が必要です
- デノスマブ:半年に1回の注射で骨を強く保つお薬です
どの薬が合うかは、年齢や骨密度の程度、ほかの病気の有具合によって異なります。医師とよく相談して決めましょう。
栄養指導
食事の見直しも治療の一環です。管理栄養士による栄養指導を受けられる医療機関もあります。カルシウムやビタミンD、ビタミンK(納豆などに含まれる)をバランスよくとることが大切です。
📌 注意
この記事は一般的な情報を提供するものであり、個別の医療アドバイスを目的としたものではありません。骨粗しょう症の診断や治療については、必ず医師や専門家に相談してください。自己判断で薬を中止したり、サプリメントを過剰に摂取したりしないようにしましょう。
よくある質問(Q&A)
Q1. 骨粗しょう症は治りますか?
完全に「治る」というよりは、進行を抑え、骨折を予防することが治療の目標です。適切な治療と生活習慣の改善で、骨密度を維持・改善することができます。
Q2. 男性も骨粗しょう症になりますか?
はい、なります。女性よりは少ないですが、70歳以上の男性では約15%に骨粗しょう症が見られます。男性ホルモン(テストステロン)の減少や、ステロイド薬の使用が原因になることが多いです。
Q3. カルシウムのサプリメントは必要ですか?
食事から十分なカルシウムがとれない場合には、サプリメントも選択肢の一つです。ただし、とりすぎにも注意が必要です。まずは食事での摂取を心がけ、不足している場合に医師や薬剤師に相談してからサプリメントを検討しましょう。
Q4. 骨密度検査はどこで受けられますか?
整形外科や内科、婦人科などで受けられます。自治体の健康診査のメニューに含まれていることもあります。費用は保険適用で1,500〜3,000円程度が目安です。
公開日:2026年7月31日 | 更新日:2026年7月31日
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