「そろそろ介護が必要になってきたけれど、施設にはどんな種類があるの?」「特養(とくよう)と有料老人ホームの違いがわからない」——そんなお悩みをお持ちのご本人やご家族の方に向けて、介護施設の種類と選び方をわかりやすくまとめました。
- 介護施設の4つの主な種類と特徴
- それぞれの費用の目安と入居条件
- 自分や家族に合った施設の選び方のポイント
1. 介護施設の4つの種類
一口に「介護施設」といっても、いくつかの種類があります。大きく分けると、次の4つが代表的な施設です。
| 施設の種類 | 特徴 | 月額費用の目安 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 要介護3以上が条件。費用が安く、終身利用できる | 約5〜10万円 |
| 有料老人ホーム | 民間の施設。サービスが充実しているが費用は高め | 約15〜30万円 |
| グループホーム | 認知症の方が少人数で共同生活。家庭的な雰囲気 | 約10〜18万円 |
| サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | 自立〜軽度の介護向け。バリアフリーの賃貸住宅 | 約10〜20万円 |
2. 特別養護老人ホーム(特養)とは
特別養護老人ホーム(略して「特養(とくよう)」)は、公的な介護施設です。市区町村が運営する社会福祉法人などが運営しています。
入居条件
- 原則として要介護3以上の方
- 65歳以上の方(65歳未満でも特定疾患の場合は入居できることがあります)
- 自宅での介護が難しいと認められた方
費用の目安
月額の費用はおおむね5万円〜10万円程度です。介護保険の給付が受けられるため、民間の施設より安く利用できます。ただし、人気が高く、入居待ちの方が多いのが現状です。地域によっては待機期間が1年以上になることもあります。
特養のメリット・デメリット
メリット:費用が安い、終身利用できる(一度入居すれば基本的に退去する必要がない)、医療機関との連携がある
デメリット:入居待ちが長い、要介護3以上でないと入れない、個室が少ない施設もある
3. 有料老人ホームとは
有料老人ホームは、民間企業などが運営する施設です。サービス内容や設備が充実しているのが特徴ですが、その分費用も高くなります。
入居条件
- おおむね60歳以上の方(施設によって異なります)
- 要介護度の条件は施設によってさまざま
- 入居時にまとまった一時金(入居金)が必要な場合が多い
費用の目安
月額15万円〜30万円程度が一般的です。入居金は数百万円〜数千万円と幅があります。最近は「入居金0円」の施設も増えていますが、その分月額費用が高くなる傾向があります。
有料老人ホームの種類
有料老人ホームには、さらに「介護付き」「住宅型」「健康型」の3種類があります。
- 介護付き:施設内で介護サービスが受けられる。一番安心
- 住宅型:食事や掃除などのサービスはあるが、介護は外部の事業者を利用
- 健康型:自立した高齢者向け。介護が必要になると退去しなければならないことも
4. グループホームとは
グループホーム(正式名称:認知症対応型共同生活介護)は、認知症の方が5〜9人の少人数で共同生活をする施設です。家庭的な雰囲気の中で、一人ひとりのペースを大切にしたケアが受けられます。
入居条件
- 認知症と診断されている方(要介護度は問わないが、認知症の症状があることが条件)
- 共同生活ができる程度の落ち着きがある方
- 65歳以上の方が中心ですが、65歳未満でも条件を満たせば入居できる場合があります
費用の目安
月額10万円〜18万円程度です。家賃と食費、介護サービスの自己負担分が含まれます。
グループホームの特徴
少人数で生活するため、職員と入居者の距離が近く、一人ひとりの状態の変化に気づきやすいという利点があります。また、料理や掃除などの家事を入居者と職員が一緒に行うことで、できることを維持する「残存機能(ざんぞんきのう)」を活かしたケアが特徴です。
5. サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは
サービス付き高齢者向け住宅(略して「サ高住(さこうじゅう)」)は、バリアフリー構造の賃貸住宅です。介護施設というよりは「高齢者向けの安心な住まい」というイメージです。
入居条件
- おおむね60歳以上の方(または要介護・要支援の認定を受けている方)
- 自立〜軽度の介護が必要な方まで幅広く対応
費用の目安
月額10万円〜20万円程度。家賃に加えて、生活支援サービス費(安否確認や見守りなど)がかかります。
サ高住の特徴
「住まい」が基本のため、自分のペースで生活できるのが魅力です。介護が必要になった場合は、外部の訪問介護サービスを利用します。特養や有料老人ホームと比べると自由度が高く、「自立した生活を続けたい」という方に向いています。
6. 施設の選び方のポイント
施設選びで迷ったときは、以下のポイントをチェックしてみてください。
① 現在の介護度と将来の変化を見越す
今は軽度でも、将来さらに介護が必要になる可能性を考えましょう。特養は要介護3以上でないと入れませんが、一度入れば終身利用できます。一方、サ高住は自立〜軽度向けで、介護が重くなると転居が必要になることもあります。
② 費用の総額を把握する
月額費用だけでなく、入居一時金、食費、医療費、おむつ代などのオプション費用も含めて総額を計算しましょう。年金収入と照らし合わせて、無理のない範囲かどうかを確認することが大切です。
③ 実際に見学に行く
パンフレットやホームページだけではわからないこともたくさんあります。実際に施設を訪れて、職員の対応、食事の内容、入居者の様子、施設の清掃状態などを自分の目で確かめましょう。できれば複数の施設を比較することをおすすめします。
④ 地域包括支援センターに相談する
お住まいの市区町村にある地域包括支援センター(ちいきほうかつしえんセンター)では、介護施設の情報提供や相談を無料で行っています。「どこに相談したらいいかわからない」という方は、まずここに連絡してみましょう。
お住まいの市区町村の役所(高齢者福祉課)に電話するか、「地域包括支援センター + 市区町村名」で検索すると見つかります。
7. まとめ
介護施設にはそれぞれ特徴があり、入居条件や費用も大きく異なります。大切なのは、ご本人の状態や希望に合った施設を選ぶことです。
まずはお住まいの地域の地域包括支援センターやケアマネジャー(介護支援専門員)に相談してみましょう。専門家のアドバイスを受けながら、焦らずに施設選びを進めてください。
この記事は一般的な情報を提供するものです。実際の入居条件や費用は施設や地域によって異なります。介護施設の選び方や手続きについては、必ずお住まいの市区町村の窓口や地域包括支援センター、専門のケアマネジャーにご相談ください。