年金の繰下げ受給とは?もらうのを遅らせると増える仕組みをわかりやすく解説
2026年7月29日 | カテゴリ:年金
この記事でわかること
・年金の繰下げ受給(くりさげじゅきゅう)のしくみ
・何歳まで遅らせると月額がどれだけ増えるか
・繰下げ受給のメリットとデメリット
・自分に合ったもらい始めのタイミングの考え方
年金の繰下げ受給(くりさげじゅきゅう)とは?
年金は原則65歳から受け取ることができますが、66歳以降に遅らせて受け取り始めることを「繰下げ受給」といいます。
年金をもらい始めるのを遅らせると、1ヶ月遅らせるごとに0.7%ずつ年金額が増えます。つまり、もっと先に受け取り始めれば、その分だけ毎月もらえる金額が増えるという制度です。
たとえば、65歳からもらう予定の年金が月額10万円だった場合、70歳まで繰り下げると月額14万2,000円になります。これは大きな違いですよね。
何歳まで繰り下げられる?
繰下げ受給ができるのは66歳から75歳までです。75歳を過ぎてから申請しても、75歳で繰り下げた場合と同じ金額になります。
令和4年(2022年)の法改正で、それまでの70歳から75歳に引き上げられました。もっと長く働く方が増えていることを受けての変更です。
繰下げによる増額率の早見表
| もらい始める年齢 | 増額率 | 月額10万円の場合 |
|---|---|---|
| 65歳(基準) | 0% | 10万円 |
| 66歳 | 8.4% | 10万8,400円 |
| 67歳 | 16.8% | 11万6,800円 |
| 68歳 | 25.2% | 12万5,200円 |
| 69歳 | 33.6% | 13万3,600円 |
| 70歳 | 42.0% | 14万2,000円 |
| 75歳 | 84.0% | 18万4,000円 |
※増額率は「遅らせた月数 × 0.7%」で計算されます。
繰下げ受給のメリット
- 毎月もらえる金額が増える:一生涯、増えた金額で受け取れます
- 長生きするほどお得:85歳以上生きる方は、65歳からもらうより総額が増えると言われています
- 働いている間はもらわなくて済む:仕事を続けていて年金がまだ必要ない方にぴったりです
- 遺族年金には影響しない:繰下げで増えた分は、ご遺族が受け取る遺族年金の計算には影響しません
繰下げ受給のデメリット・注意点
- もらえるまでに時間がかかる:遅らせている間は年金が1円も入ってきません
- 途中でやめられない:一度繰下げ受給を申請すると、取り消しはできません
- 健康状態によっては損をする可能性も:もしお元気でない場合、65歳からもらった方が総額が多くなることもあります
- 税金や社会保険料の負担が増える:年金額が増えると、所得税や住民税、後期高齢者医療保険料などが上がることがあります
こんな方におすすめ
繰下げ受給が向いている方
・65歳以降も仕事を続けて収入がある方
・健康で長生きする家系の方
・貯蓄があり、年金がなくてもしばらく生活できる方
・将来の年金減額に備えて少しでも多くもらいたい方
65歳からもらった方がよい方
・健康にあまり自信がない方
・年金がないと生活が難しい方
・早くゆっくりしたい方
繰下げ受給の手続き方法
繰下げ受給をしたい場合は、65歳になる前に届く「年金請求書」を提出しないでください。その後、実際にもらい始めたい年齢になった時点で「年金の繰下げ申出書(ねんきんのくりさげもうしでしょ)」を日本年金機構に提出します。
手続きはお住まいの年金事務所または街角の年金相談センターで行えます。ご不明な点はお気軽に相談してください。
まとめ
年金の繰下げ受給は、「もらうのをがまんする代わりに、将来もらえる金額を増やす」制度です。1ヶ月遅らせるごとに0.7%増えるので、70歳まで待てば42%アップ、75歳まで待てば84%アップします。
ただし、ご自身の健康状態や生活費、仕事の予定をよく考えて決めることが大切です。「どちらがいいかわからない」という方は、お近くの年金事務所やファイナンシャルプランナー(お金の専門家)に相談してみてください。
【ご注意】
この記事は一般的な情報をまとめたものです。実際の年金額や手続きについては、必ず日本年金機構や年金事務所にご確認ください。個別の相談は専門家にご相談されることをおすすめします。